全国には50以上のローカル鉄道があります。地方私鉄の多くは経営規模が小さいためにSuica等の交通系ICカードの導入に踏み切れません。自動改札の機械にかかる費用もバカにならない金額なので、特に利用者の少ない路線では、Suicaの導入など不可能です。
そこで登場したのがQR決済です。特にPayPayを導入する路線が増えています。
もくじ
長良川鉄道(岐阜)
岐阜県の美濃太田~北濃間を走る長良川鉄道越美南線(ながらがわてつどう えつみなんせん)では、2019年7月から車内での運賃支払いにPayPayを導入しています。
車両に掲示してあるポスターからQRコードを読み取り、金額を自分で入力して車掌に見せ、その場で支払いをします。窓口での取り扱いはありません。
上信電鉄(群馬)
群馬県の高崎~下仁田間を結ぶ上信電鉄上信線では、2020年6月30日までの予定でPayPayの試験導入を行っています。駅窓口で販売する切符のほか、グッズ類もPayPayによる購入が可能です。
肥薩おれんじ鉄道(熊本ー鹿児島)
八代(熊本)~川内(鹿児島)を結ぶ肥薩おれんじ鉄道線では、一部の有人駅でスマホ決済サービス「PayPay」を導入しています。
肥薩おれんじ鉄道のTwitter
八代、日奈久温泉、佐敷、水俣、出水、阿久根、川内では駅営業時間内にのみPayPayが利用できるようです。 pic.twitter.com/fLy7pXAewR— ほでんの素その17 (@pork_5) February 25, 2020
導入駅は八代駅、日奈久温泉駅、佐敷駅、水俣駅、出水駅、阿久根駅、川内駅。いずれも窓口での取り扱いとなり、車内での決済はできません。
湘南モノレール(神奈川)
湘南モノレールでは2019年3月からPayPayを導入しています。
ただし用途は限られており、大船駅での定期券や1日フリーきっぷ、各種企画乗車券の購入、大船駅と湘南江の島駅でのオリジナルグッズの購入にしか使えません。(当初の発表)
湘南モノレールのPayPay対応を調べたかったので大船駅へ
案内の紙に片道乗車券とあったので聞いてみたところ、まさかの普通の乗車券も買えました
券売機でなく出札端末からの乗車券が出てくるためレアかも? pic.twitter.com/ZYJCj7RnO7— りんご財布 (@Ringo_wallet634) April 29, 2019
普通の乗車券も購入できるようです。
養老鉄道(岐阜)
岐阜県の桑名~揖斐間を結ぶ養老鉄道養老線で、有人駅の窓口での定期乗車券の購入にPayPayが使えます。取扱駅は揖斐駅・大垣駅・西大垣駅・養老駅・駒野駅・多度駅・下深谷駅。
養老鉄道もPayPayが使える時代になったのか…(?) pic.twitter.com/Bl4W4KLFWW
— Hayato (@PANOKAZEOGAKI) February 3, 2020
養老鉄道大垣駅の改札前に「PayPay使えます」の旗が立っていたが券売機には「PayPay使えません」の表示。紛らわしいと思うなあれは……
— ヒイロ (@local_sta1989) February 2, 2020
ひたちなか海浜鉄道
茨城県の那珂湊駅窓口と勝田駅湊線ホーム窓口にて、PayPayを使って乗車券、定期券、回数券、フリー切符(記念切符も可)を購入することができます。
また、各種グッズの購入にもPayPayが使えます。
⇒那珂湊駅・勝田駅でのスマホ決済サービス「PayPay」導入
ひたちなか海浜鉄道 ミキ300乗りました。のんのんびよりで登場した電車なのん pic.twitter.com/EXiEqfwOFq
— しょっ (@_kagaya3) August 23, 2020
岳南電車
静岡県富士市内の吉原駅と岳南江尾駅を結ぶ岳南(がくなん)電車では、吉原駅の自動券売機でPayPay、LINE Pay、d払いなどが使えます。
①静岡県内初!QRコード決済対応自動券売機を吉原駅に設置!
読んで字の如く、吉原駅にハイテクな機械が導入されました!
キャッシュレスなこのご時世に追いつけ追い越せとばかりに、岳鉄張り切って導入しました!
しかも交通系IC、クレカも使える優れもの!
だけど硬券はもちろん窓口で買えます。 pic.twitter.com/mVTXJAT8gk
— 岳ちゃん【岳南電車公式アカウント】 (@GakunanEtrain) April 7, 2020
路線バスにもPayPay導入の動きが・・・
全国の路線バスでも、車内や窓口でのキャッシュレス決済導入の動きが見られるようになりました。
導入例は次の通りです。
十勝バス(帯広市)
降車時に運転手にスマホ画面の金額を見せてから支払い操作をし、支払い完了の画面を見せてから下車。(ユーザースキャン方式)
北海道拓殖バス(帯広市)
帯広駅バスターミナルなどの窓口での決済。2020年中には車内での運用を予定。
めぐりん(岡山市)
降車時に運転手にスマホ画面の金額を見せてから支払い操作をし、支払い完了の画面を見せてから下車。(ユーザースキャン方式)
hoopバス(京都駅八条口⇔京大病院)
支払完了画面を運転手に見せて下車。(ユーザースキャン方式)
新城市の市営バス(愛知県)
作手地内の市営バス守義線及びあしがる線にて運用。(ユーザースキャン方式)
龍神自動車(和歌山)
市内線・熊野本宮線・高野中辺路線(聖地巡礼バス)などの路線の車内で実施。(ユーザースキャン方式)
東海バス
主要案内所での乗車券購入時にPayPayを利用。
まとめ
以上、全国のローカル鉄道やバスのQR決済導入についてまとめてみました。
まだまだ探せばもっとある、これからもどんどん増えそうな予感の、ローカル線のQR決済。Suicaのようなスピーディーな読み取りはできませんが、低コストで導入できるQR決済はローカル線の必須のシステムになるかもしれません。