クレジットカードをつくる時、どの国際ブランドにしたらいいか悩む人も多いのではないでしょうか。
「このカードをつくりたい」と決めていても、ブランドが複数ある場合もあります。特に初めて持つクレジットカードの場合、どのブランドを選ぶかということはとても重要な気がしますよね。
売上高やシェアなどから、クレジットカードの国際ブランドを比較しました。あなたにとって最適な国際ブランドを見つけるための参考になればうれしいです。
もくじ
世界で通用するクレジットカードブランドは?
世界的に有名なカード専門誌「ザ・ニルソン・レポート」が2015年に発表した国際ブランド別のクレジットカード売上高は次の表のようになっています。
ブランド名 | 売上高(億ドル) | シェア |
VISA | 1261 | 56% |
MasterCard | 597 | 26% |
Union Pay=銀聯(ぎんれん) | 290 | 13% |
American Express(アメックス) | 73 | 3% |
JCB | 28 | 1% |
ダイナースクラブ | 22 | 1% |
なお、ここに含まれていない第7の国際ブランドとしてディスカバーカードがあり、予想シェアは0.5%と考えられています。
Union Pay(銀聯カード)は、中国人のほとんどが持っていると言われているクレジットカードです。2002年にスタートした後進のクレジットカードですが、近年ではその発行枚数が45億枚を超し、世界第一位となっています。クレジットカード業界では異例の急成長を遂げ、短期間で世界に通用するクレジットカードブランドになりました。
シェアで選ぶならVISAかMasterCard
「ザ・ニルソン・レポート」の集計データからわかるように、世界中の様々な国で最も通用するクレジットカードはVISAで、次いでMasterCard、ということになりそうです。
どの国でも通用するカードブランドを求めるなら、VISAかMasterCardを選んでおけば間違いはありません。
ひと頃よく言われていたことですが、アメリカ圏ではVISAが強くても、ヨーロッパ圏では依然MasterCardが強いという声もまだ耳にすることがあります。
実際にはVISAとMasterCardは同時に契約されることが多いため、どちらかしか使えないという店舗は減少しているそうです。でも、こればかりは現地に行って使ってみなければわからない部分です。
アメックスはどうなの?
アメックス(American Express)カードの場合、その名前からアメリカ圏で強いのかというと、決してそうではなく、世界的に知られているそのステータスもヨーロッパではあまり通用しないという声をよく耳にします。
少し前までは、日本でアメックスやダイナースを使える店舗は少ないといった話しもあったかと思いますが、現在そんなことはありません。
アメックスもダイナースもJCBと加盟店開放契約を結んでいるため、JCBが使える店舗ではかなりの割合でアメックスもダイナースも使えるようになっています。(ただし100%ではありません。)
アメックスはステータスもメリットもあります。アメックスのサービスは他のカードと比べて質が高いことで知られており、特にゴールド以上のステータスを持っているとカード会員限定イベントにも参加できたりして、得るものの多いのが魅力です。
銀聯カードは?日本でもつくれるの?
ニューヨーク、ハワイ、サンフランシスコ、ロサンゼルス、オーランド、シカゴなどでは、有名なショッピングセンターやアウトレットの90%以上で銀聯カードが使えるという調査結果もあります。
銀聯カードが急速に売上高を伸ばした大きな理由は、やはり中国という人口世界一の国のカードだからということが挙げられます。
中国圏で行動しようと思ったら、絶大なステイタスを持つ銀聯カードのお世話になるのが一番です。
日本でも銀聯カードはつくれます。日本でつくれる銀聯カードには、単独で発行できるクレジットカードと、メインカードに紐づくサブカードの2種類があります。
三井住友銀聯カード(クレジットカード)
日本で単独発行できる唯一の銀聯カードです。通常のクレジットカードと同様に審査があります。
三井住友銀聯プラチナカード(クレジットカード)
三井住友銀聯プラチナカードは、三井住友プラチナカードのサブカードとして発行されます。三井住友プラチナカードを持っている人でなければ発行できません。
日本で発行できる最もステータスの高い銀聯カードです。ショッピングの利用限度額が300万円~と、他のカードと比較にならないほど高いので、中国圏でのより高いサービス・利便性が期待できます。
MUFG銀聯カード(クレジットカード)
MUFGカードのサブカードとして発行されるカードです。MUFGカードを持っている人にだけ発行されます。単独では発行できません。
MUFGゴールドカードのサブカードとして発行すれば、MUFG銀聯ゴールドカードになります。
MUFG銀聯ゴールドカードは日本で発行できる銀聯カードの中では、三井住友銀聯プラチナカードに次いでステータスの高いカードです。
ANA銀聯カード(クレジットカード)
ANA VISAカード,ANA Masterカード,ANA VISA Suicaカードのサブカードとして発行されるカードです。単独では発行できません。
銀聯カードは中国圏に頻繁に旅行に行く人や、長期滞在する人にとって絶対に欠かせないカードです。銀聯カードさえ持っていれば中国では都市部のみならず、地方に行っても困ることがないと言われています。
日本で使うならJCBは最強
株式会社ジェーシービー(JCB)は日本発の国際ペイメントブランドで、国内に本拠地を置き、国内インフラを自社で揃えている唯一の国産クレジットカード会社です。
仮に海外のクレジットブランドが全て日本から撤退したとしても、JCBだけは問題なく使い続けられることでしょう。言うなればJCBカードは、中国における銀聯カードのようなものです。
世界的に見るとシェアは1%ぽっちですが、JCBは日本国内で最も通用するカードであることは間違いありません。日本でしかクレジット決済をしないのであれば、JCB一択でもいいと思います。
ちなみに韓国・台湾・中国などアジア圏での知名度も高く、利用に際してはとくに問題ないようです。
またディズニーランド&シー関連の特典が人気です。特にJCB THE CLASS(JCBザ・クラス)カードを持っているとラウンジが無料で使えたりと、ファンにはうれしいことが山盛りです。
ダイナースやディスカバーは?
ダイナースクラブは世界で最も歴史の借るクレジットカードであり、日本に入ってきた最初のクレジットカードでもあります。最古参ですが、残念ながらあまり目立っていません。
ディスカバーは2005年に国際ブランドの仲間入りをした後進のカードです。日本ではまだ発行できません。
現在のところでは、ディスカバーのカードを持つ明確なメリットは見当たりません。
しかし、ダイナースクラブは別です。国際ブランドの中ではシェアが少ないとはいえ、ダイナースクラブカードならではの特典には心惹かれるものがあります。
特に海外旅行に関連した様々な特典は、ダイナースクラブカードの大きな魅力です。具体的には次のような内容になります。
・帰りの手荷物を1つ、指定空港から指定場所まで無料で届けてもらえる。
・ホノルル観光に便利なLea Leaトロリー『1週間券(7日間乗り放題レギュラーパス)』を無料で利用できる。
・指定空港までの送迎タクシーを無料または格安で利用できる。
・対象空港近隣の指定パーキングに旅行期間中無料で駐車できる。
・空港近辺の指定ホテルに前泊することができる。
(それぞれに諸条件あり。)
長所が短所を上回るという場合には、ダイナースクラブという選択肢も大いにあります。
まとめ
結論めいたことを言うとすれば、誰にとっても最適だと言えるようなカードはない。というところです。
VISAやMasterCardなら世界中どこでも使える、というのは本当かもしれません。
だとしても、世界中を飛び回る人ならいざ知らず、行き先や頻度によっては必ずしもVISAやMasterCardでなくても大きな問題はないわけです。
中国圏では銀聯カードを提示することがもっとも好印象です。銀聯プラチナだったりすればなお良しです。
国内だけで使うならJCBで十分だという声もあります。特にディズニーファンにはJCBカードがダントツでおすすめです。
それぞれのカードに特典や特徴があり、メリットがあります。自分のライフスタイルに合ったものを選ぶことが、最終的な満足につながるのではないでしょうか。